ケイトウ:★
毛糸やニットのような花の質感は温かみがあり、枝ものや実物と合わせると、秋らしい雰囲気を演出する事ができます。深みのある秋色のイメージが強いケイトウですが、最近は、ミルキーグリーンや、淡いイエロー、ピンクなど、他のお花とあわせやすい品種が増えて、アレンジの幅が広がりました。秋が旬のお花ですが、7月から11月くらいまで市場に出回っています。大変花持ちがよいお花でドライフラワーにもなります。お花の形状は、羽毛のようであったり、鶏のトサカのようであったりと様々です。
コットンフラワー:★
市場にはドライフラワーになった状態で出回ります。水が必要ないため、長期間飾ることが可能です。
アレンジメントの中に忍ばせて、冬らしさを可愛く演出することもできますし、シックな枝物と合わせておしゃれにディスプレイすることもできます。綿の部分がホワイトのものと、テディベアのようなブラウンのもの2色があります。
ダリア:★
大きく華やかに咲く花の代表格で、色や花形も豊富なことから、非常に人気の高いお花です。秋に咲く花として有名ですが、近年では一年を通して様々なダリアが市場に出回っています。花保ちが良くないため、ウェディングやイベントなど短い時間だけの装花に向いています。ダリアを生けるときには、必要のない葉はなるべく取り除き、水をしっかりと吸水できるように深さのある水に生け、花保ちを良くするためのスプレーをかけるなどの配慮が必要です。
ネリネ(ダイヤモンドリリー):★
光が当たると花びらがキラキラと輝いて見えることから、「ダイヤモンドリリー」という別名がつけられました。秋から春にかけて市場に出回ります。ホワイトや淡いピンクのダイヤモンドリリーはとてもロマンティックな雰囲気を持ちウェディングブーケや髪飾りに最適のお花です。ヒガンバナ(リコリス)と姿が似ていますが異なる品種です。1本の茎に3−5㎝程の花が5輪くらいつきます。
バラ:★★
幾重にも重なる花びらをもつ美しい花です。高級感や存在感があり、アレンジメントのメインになる花材として不動の人気があります。花びらが丸いカップ咲きのバラ、花びらの先がとがった剣咲きのバラ、いくつかの花をつけるスプレー咲きのバラなど様々な種類、品種、色があります。周年で回りますが、初夏の5月~6月と秋の10月~11月が本来の旬の季節です。
フラネルフラワー:★
手触りが毛織物の”フランネル”の質感に似ていることから名付けられたお花です。花径はおよそ3−5cmほどになり、
花弁に見える部分は葉が変形した苞(ホウ)と呼ばれるもので、中央の円形部分がお花です。フェルトの様な温かみのある質感は、ナチュラルで優しい雰囲気でウエディングブーケにも人気です。また、バスケットアレンジメントにもおすすめのお花です。
モミジ(紅葉):★
ライデン(紅葉):★
キイチゴ(紅葉):★
ノバラ:★
バラが咲いた後、直径5mmほどの小さな可愛らしい赤い実を付けます。その実が付いた枝物が、”野バラ”という名で流通しています。他にも、直径1.5cmほどの鈴の様な形状の実の”スズバラ”もあり、総称して”バラの実”(ローズヒップ)と呼ばれています。野バラは、つる性の日本のバラの代表的な原種で、そのワイルドな枝ぶりを活かしたダイナミックな生け方やディスプレイ、実をリースに入れるのもおすすめです。枝にとげがあるので、取り扱いに注意です。
アキイロアジサイ:★
本来、「秋色紫陽花」という品種はありませんが、紫陽花の花が夏から秋に枯れていく際に見せる色の変化を表現した言葉であり、アンティークな色合いが人気です。この絶妙なニュアンスカラーは、不思議とどんな花とも相性がよく、アレンジメントをシックでオシャレな雰囲気にまとめます。7月頃から秋にかけて比較的多く市場に出回ります。
キク:★
桜と並ぶ日本の国花です。仏花としてのイメージもありますが、ヨーロッパではアレンジメントに入れる花として人気があります。花もちが非常に良いのも人気の理由の一つです。様々な種類があり、あらゆるシチュエーションにおいて、重宝するお花です。大輪のもの、球体形の種類など咲き方も様々です。自然の中で咲くキクは種類によって開花時期が異なります。夏菊(6月~7月)秋菊(10月~ 11月)寒菊(12月~1月)。切花は一年を通じて出回ります。
11月の花
通年出回るバラ、ダリアなども発色が良く美しいものが揃います。ディスプレイでは、ニット素材のような風合いや色あいが人気の「ケイトウ」や、紅葉した枝もの、赤く色づいた実物が「秋」を演出します。
深みのある美しい色合いの植物が揃う季節です。冒険的な色あわせをしても、植物同士は上手になじんで、見る人を魅了します。
「紅葉」を飾る難しさ
自然の中でたくさんの木々が紅葉した絶景を見たことがあると思います。しかし、その様子を切花で表現することは簡単ではありません。紅葉した枝ものはとてもデリケートで、乾燥しやすく、紅葉が進むと茶色くなり葉を落とします。また、山から切り出したものを美しい状態で長持ちさせることは簡単そうに思えてなかなか難しいのです。
そうはいっても、その季節感や色と姿の美しさは最高で、是非とも飾って頂きたいのが11月の枝ものです。切枝ではライデン、キイチゴ、ドウダンツツジ、ヒペリカムなどが出回ります。「モミジ」の切枝は乾燥が激しく複数日飾ることが難しいので鉢物をお勧めします。
お花が長持ちするような?
気温がぐっと下がり、家に飾るお花も思いのほか長持ちします。お花を飾る習慣がない方も、秋から春にかけて一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
秋を代表する花「ダリア」や秋色に色づいたアジサイや実物など、絶妙な色合いの花々を飾り「花のある暮らし」をお楽しみください。
クリスマスディスプレイ
11月いっぱい秋を楽しみたい気持ちもありますが、商業施設のディスプレイは、11月 1 週目からクリスマスディスプレイに変わります。切花市場は早くもクリスマス向けの植物(赤い花・深い緑色の針葉樹、茶色の実もの)が出回ります。
11月中旬から後半にかけては、クリスマスツリーの設置時期のピークです。人々のこころは秋よりも冬を楽しみたい気分にかわります。
アドベントリース
アドベントとはキリストの降誕を待ち望む機関の事です。永遠の愛を表すリース(終わりのない円)の形を永遠の命を表す「常緑樹」で作ります。クリスマスの直前の日曜日から4週前の日曜日からキャンドルに1本ずつ火をともします。4本のキャンドルの意味があり、リースの上に赤・ゴールドなどのキャンドルを飾ります。
クリスマス直前の日曜日(4本目)(愛)
2週間前の日曜日(3本目)(喜び)
3週間前の日曜日(2本目)(平和)
4週間前の日曜日(1本目)(希望)・・2021年11月28日