梅:★
紋章のモチーフになることが多い、新春を想起させる縁起の良いお花の一つです。5枚の丸い花弁を持つ花が枝に一輪づつ咲き、枝の先端は少なく、どちらかというと根元に多く咲きます。公園などでは2月頃から見頃を迎えますが、切り花としては1月から流通し始めます。中国では梅の花が咲く季節に旧暦の正月「春節」が訪れるため、新年のグリーティングカードに梅がモチーフになることがあります。
チューリップ:★
可愛らしい花形と、美しいラインの茎と葉を持ち、シンプルに花瓶に生けるだけで絵になるお花です。花瓶に生けるときは全体の長さの1-2割ほどの水の深さで十分です。一日に数センチ伸びるほど成長が早く、暖房の暖かさで花芯が見えるほど大きく花開いたり、横向きに生けても翌日には勢い良く上向きに姿を変えるお花なので、飾る場所と生けるタイミングには計算が必要です。様々な色、形、咲き方があり、11月下旬から 3月 を中心に出回ります。
アイリス:★
ダッチアイリスと呼ばれる品種が一般的で、花びらの付け根に黄色の斑が入るのが特徴です。花菖蒲に似たお花で、和の雰囲気を演出できることから、お正月や新春の花として使用することも多いお花です。開花してからは長く保ちませんが、固いつぼみから開花までは1週間ほど楽しんで頂けます。
椿:★
生け花や茶花として古くから愛された花木の一つです。艶のある濃い緑の葉に、一重咲きや八重咲きの丸い花が咲きます。
花びらは繊細で傷つきやすく、咲いた後は花首ごとぽとりと落ちますので、扱いや飾る場所に注意が必要です。1輪の花のもちは数日ですが、枝そのものは次々と花を咲かせて、1週間から10日ほど楽しむ事ができディスプレイにも向いています。
フリージア:★★
茎の先に、弓なりに小花をつける可愛らしいお花です。一重咲きと八重咲きの種類があります。先端に向かって順番に開花していき10-14日ほど楽しめます。自由で伸びやかなシルエットが特徴で、花持ちも良く、蕾の状態から満開までの変化も楽しめるため、ラインの美しさを活かすディスプレイにもおすすめのお花です。色味によって甘い香りのものやスパイシーな香りのものがあります。白と黄色が多く11月〜3月に出回ります。
ボケ:★
お正月頃から出回ります。力強くダイナミックな枝ぶりに、小ぶりの丸いお花が咲きます。枝にトゲがある場合が多く、他のお花を傷つけないように取り扱いに注意が必要です。ほかの花木に比べて花のもちはとても良く、開花してから1週間ほど楽しむことができます。
アマリリス:★
まっすぐに伸びたライトグリーンの太い茎にユリに似た華やかな花を咲かせるアマリリス。ヨーロッパでは、クリスマス時期に大変人気で、アマリリスを欠かさないご家庭も多いそうです。品種によりますが切花市場には11月後半あたりから 4月 位まで出回ります。つぼみの状態で入荷し1週間ほどで 2 輪程度の花を咲かせます。直径 10 cm ほどの花は華やかで、茎も美しく、花保ちも良いので、ショップを飾る花やウェディング装花など、大きめのアレンジメントに向いています。
ユキヤナギ:★
春の訪れを告げる花木のひとつです。柳のようなしなやかな枝に沿って、枝全体に白い小花をつける枝物です。満開になると、まるで枝に雪が降り積もった様な姿になりとても美しい枝ものです。アレンジメントや花束に少し入れるだけで、繊細な雰囲気が増します。1週間ほど楽しめますが、満開後に触れると小花がたくさん散るため、飾る場所には注意が必要です。
ヒヤシンス:★★★
12月から3月位まで出回ります。蕾の状態で仕入れたあと徐々に開花し、それとともに漂う香りまでも存分に楽しむことができます。1週間ほどで写真のような満開の状態になり茎も伸びていきますが、咲き誇ったあともしばらく楽しむことができるので、花もちは非常に良い花といえるでしょう。強い香りなのでレストランなどには向きません。アレンジメントはもちろん、花一輪一輪をコサージュや髪飾りなどの小物にしても、可愛らしいお花です。
パンジー:★
ひらひらと薄い繊細な花びらがエレガントな小花です。花弁とその中央部分の色が異なり、独特の配色のものが多く、アレンジメントやブーケのアクセントになります。園芸品種のイメージが強いのですが、近年では茎が20−30cmほどの長さのある切花品種も多くなり人気です。アレンジメントよりも花瓶いけの方が花の持ちが良く、一番目の花が終わると、次につぼみが花開き2-3週間もちます。1月〜3月にかけて出回ります。
スイセン:★★
花だけでなく、スッと伸びた茎や葉の姿も美しいお花で、生け花など「和」のフラワーデザインでよく使われるお花です。雪に埋もれて咲く姿は、春の訪れを感じさせ、お正月を飾るお花としても人気です。花のもちは5日程度であまり長くはありません。ラッパズイセン、八重咲きスイセン、房咲きスイセンなどの咲きかたがあります。種類にもよりますが、12月から3月頃出回ります。
ラナンキュラス:★
春の主役の一つとも言える人気のお花です。何層にもなる薄い花びらが特徴的で、バラよりもソフトで優しい印象を与えてくれます。12月頃から市場に出回り始めますが、 2月頃になると色や咲き方の種類が豊富に揃い、 4月には出回りが少なくなります。花径5-10cm位までサイズも様々です。花のもちは大変良く、環境が良ければ2週間程度楽しむことが出来ます。ブーケやアレンジメントを一気に春らしく、可愛らしく演出してくれます。
スイートピー:★★
名前の如く甘い香りとひらひらと軽くて薄い花びらが特徴のお花です。蝶々のような可憐な花が、下の花から順々に上に向かって咲き進んでいきます。12月〜4月上旬くらいまで出回る、春を代表する花のひとつです。エネルギッシュな花で、アレンジしたあとに一日で 1 cm 前後伸びることもあります。花のもちは5日程度であまり長くはありません。花束やアレンジメントにいれるとフェミニンな印象になります。カラーバリエーションも豊富で年々美しい品種が増えています
アネモネ:★
水彩絵の具で色をつけたような透明感のある色味が特徴的な花です。花芯が緑のもと黒いものがあります。芯の色でイメージが変わりますがこの楕円形の芯がブローチのように見えて他の花にはない存在感を持つお花です。花の大きさは4~10cmと様々です。暖房のきいた暖かい環境下では花びらが水平になるほど咲いてしまいますので、気温の低い場所で楽しんで頂くほうがアネモネの美しい姿をより長く楽しめます。12月〜3月にかけて出回ります。
アリウム・コワニー:★
様々な品種が存在するアリウム。中でもこのアリウム・コワニーは、純白の小花・すっきりとしたラインの茎が美しいお花です。花火の様は花の集合体は直径7-8cmほど。外側から中心に向かって開花が進み2週間ほどもちます。通常のアリウムは、春から夏にかけて市場に出回っていますが、このアリウム・コワニーは春の間しか、市場に出回らない品種です。カーヴィーな茎が特徴的で、純白の花もレースのようで可憐な印象のお花なので、花束やアレンジメントをより可愛らしく見せてくれます。
クリスマスローズ:★
うつむいたように咲く可憐なクリスマスローズ。種類も豊富で、一重咲きのものから八重咲きのものまで、さまざまです。
シックでニュアンス的な色合いが最大の魅力で、アレンジメントやブーケを大人っぽい印象にしてくれます。だんだんと出回り時期が長くなり、12月から4月ごろまで出回ります。
ハクレン:★
白蓮(ハクレン)または白木蓮(ハクモクレン)。枝に、斜め上に向かってカップ状の花が咲きます。枝ぶりが魅力的な花木で、蕾の状態も姿良く、開花までの変化を楽しんで頂けます。蕾のときに花を覆う衣(鱗片葉)が開花時に落ちるため、その点は留意しなければなりません。満開になると、甘い香りが広がります。花市場では1月中旬からから2月上旬にかけて出回ります。白蓮は「コブシ」とよく似ていますが、コブシには開花時に葉が付いていています。紫色の花は木蓮(モクレン)または紫木蓮(シモクレン)と呼ばれ、モクレン・コブシ・タイサンボクなどは総称して「マグノリア」と呼ばれます。
キンギョソウ:★
金魚のような形の花の集まりが房状に咲きます。花穂の長さは15~20cm程で、茎の長さもあり、花もちもよいので大きなアレンジメントに向いています。お庭で咲く時期は4−6月ですが、切花としての出回りは1月後半~3月頃です。
コデマリ:★
長く弓なりに伸びた細枝に、直径5mmほどの可憐な小花が密集して小さな手毬状になり、ひと枝に溢れんばかりに咲きます。流れる様な枝はとても軽やかで、ボリュームもあります。
枝の先端の花から咲き、やがて満開に咲く変化も印象的です。1週間ほどは楽しめますが、満開後に触れると小花がたくさん散るため、飾る場所には注意が必要です。1月から4月まで出回り、3月が最旬のお花です。
ムスカリ:★
コーン型の部分のサイズは2-3cm程度、花の長さも20cmほどの控えめで小さな球根花です。ブーケや小さなアレンジメントに、ブルーの差し色をいれたい場合におすすめです。切花市場に出回るのは、12月から2月頃で、球根がついた状態で販売されることもあります。色はブルーが主ですが、近年白も出回っており、とても可愛らしい印象の小花です。
ストック:★★
花弁がマットな質感のお花で、一本の花の集まりは房状に咲きます。花穂の長さは15~20cm程で、茎の長さもあり、花もちもよいのでアレンジメントに向いています。1本の茎に花房を一つつけるタイプと、いくつかの花房に分かれる「スプレー咲き」タイプの2種類があります。花色は豊富で、その多くはパステルトーンです。12~3月に出回る春が旬のお花です。
1月の花
年始は花市場も休みのため、 1月5日頃から少しずつ切花の出回りが始まります。年始のイベントにお花をご入用の場合は12月中旬頃には一度花屋さんに相談することをお勧めします。
冬はお花が少ないのかもと心配される方も多いと思いますが、切花市場では豊富な種類の花々を入手することができる季節です。
チューリップ、スイセン、アネモネ、ラナンキュラス、アイリス、フリージア、ヒヤシンスなど、球根花が揃いはじめます。通年出回るバラやトルコキキョウ、明るい緑のグリーンなどは若干割高な季節ですから、春の花々を存分に使ったアレンジメントがお勧めです。カラフルで可憐な春の花々を見ると、暖かな季節が待ち遠しくなりますね。
冬の寒さに注意!
涼しい場所ほどお花は長持ちするイメージがありますが、凍るほどの寒さは花を傷めます。
ラン類の中でも、オンシジューム、モカラ、バンダ、などの種類は寒さに弱く宅配便でお花を贈るときや外気温に近い場所に飾るときは十分な注意が必要です。
花木の出回りが始まります
1月後半になると花が咲く枝もの(花木)も少しずつ出回りが増えます。例えば朱色の花をつけるボケ、黄色い花のレンギョウ、薄いピンク色の啓翁桜、小さな白い花をつけるユキヤナギなどです。
茶色の枝に可憐な花が咲く様子を見ると、自然のエネルギーを感じます。