
最も愛されている花「桜」で目を惹くディスプレイ
国民に最も愛されている花、国を象徴する花を「国花」と呼びます。日本の国花は「桜と菊」です。
桜は日本全国に植えられ愛されている花です。こんなにも多くの国民が、ひとつの種類の花が咲くことを待ち焦がれ、楽しむ国は世界の中でも珍しいそうです。
このページでは人々の心を魅了する「桜」をショップディスプレイやパーティの演出にする場合の情報をご紹介します。
[装花のシーンと場所]
CM撮影・百貨店装花・ブティック装花・レストラン装花・展示会装花・パーティー装花・ウェディング装花・ステージ装花(入社式・入学式・卒業式)

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桜装花ができる時期
桜の「旬」は3月ですが、私たち花屋は1月から4月上旬まで、必要なタイミングに「桜の装花」をご用意することができます。寒さが厳しい時期に咲き始める早咲の桜、温暖な地域から入荷する桜、採取された小さな花芽がついたものを温室で暖めて開花を急がせた桜、4月ごろ咲く遅咲きの種類の桜、寒冷な地域から入荷する桜・・ 様々な種類、入手方法がありますが時期によって、入手できる種類が異なります。
桜装花の「花もち」
前提として暖房による温度変化など「環境」に大きく左右されます。
<蕾からだんだんと咲いていく様子を楽しみたい場合>
10日程度飾ることができます。蕾の硬い桜だけを生けた時は、茶色の枝だけでお花も葉もないので見た目に華やかさはありません。
<蕾が膨らんで色づき2-3分咲きの桜を生け込んだ場合>
生けたときに華やかさはありませんが、これから咲いていく期待感を感じていただける状態です。生けてから3日程度で満開になります。咲いてから散り始めるまで数日ありますので、生けてから1週間程度楽しんで頂くことができます。
<ほとんどの蕾が色付いている5分咲きの桜を生け込んだ場合>
生けたその日から、華やかさを感じていただける状態です。その日のうちに7-8分咲いていきます。2-3日間開催されるイベントにお勧めしたい咲き具合です。
<8分-満開の桜を生け込んだ場合>
豪華と思えるほどたくさんの花を咲かせた状態です。部分的に散り始める花もあります。数時間や1日のイベントにお勧めしたい咲き具合です。
満開に近くなると、「葉」が伸びはじめます。桜の花が全て散ってしまっても明るい緑の葉が綺麗に見えて廃棄するには惜しいのですが、柔らかい葉を狙って毛虫が出てきますので注意が必要です

入荷時

生け込み直後(2分咲き)

5日後(満開)

7日後(満開/葉が出てくる)

生け込み直後(蕾)

4日後(満開)

桜の開花調整
桜は、固い蕾の状態で採取されます。花市場で流通する桜のほとんどは、蕾の状態です。桜を仕入れたあと、枝の切り口を割り、皮をむいて水を張ったバケツに入れ、吸水させる作業を「水揚げ」と呼びます。室温や枝の長さを調整し、糖分を与えて、蕾がゆっくりと膨らんでいくのを見守ります。1月2月は気温が低いため、入荷した桜を咲かせるには4-7日程度が必要です。このように、お届け日に合わせて、咲き具合を調整する作業を「開花調整」と呼びます。
3月下旬から4月にかけて気温が上がると、入荷した桜はあっという間に咲いてしまいます。咲かせることよりも、咲かせないようにする方が難しく、仕入れる枝の咲き具合を慎重に選ぶことが重要になります。
桜は植物(生き物)で、個体差や環境により状態は変化します。どの程度の咲き具合でお届けし、何日間花を楽しむのかという計画通りに、植物をコントロールする事はとても難しい事ですが、可能な限りお客様のご要望にお応えできるよう、調整をします。

桜装花の発注方法
1.お問い合わせフォームよりご連絡下さい
分かる範囲で花を飾る目的・場所・お届け日時・イメージ・咲き具合などのご要望をお知らせください。装花の担当より、折り返しご連絡をさせていただきます。
2.お打ち合わせ
ご用意できる桜の種類や価格などの情報を交えて打ち合わせをさせていただきます。
3.ご提案・お見積
ボリュームイメージ資料とお見積書のPDFファイルをメールにて送らせて頂きます。
4.ご発注
正式なご発注は花材資材の仕入れの都合上、お届けの2週間ほど前にお願いしております。
(お届けまでのお日にちが近い場合はご相談ください)
5.お支払い
お届けの1週間前までにお振り込みをお願いいたします。法人のお客様にはご請求書の対応も可能です。*当日-3日前(キャンセル料100%)4-7日前(キャンセル料50%)
6.設置
1.5M以上の高さのある装花の場合は、器と桜を持ち込み、現地で生け込みをします。作業時間は30分〜1時間程度です。
7.撤去
ご希望のタイミングに装花の撤去に伺います。触れると花びらが散る頃合いが撤去のタイミングです。撤去の作業時間は30分程度です。
私たちiconicflowerは、切り枝としての桜について、今後も勉強を続けていこうと思います。もし、お気づきの点がありましたらぜひご意見をお聞かせ下さい。また、iconicflowerの「桜装花」に興味を持っていただいたお客様はどうぞお気軽にご連絡下さい。
桜装花の現場風景
基本的に桜装花の設置場所で生け込み作業をします。床に養生シートを敷き、桜の枝を水をはった花器に1本1本いけ込み仕上げます。お客様導線の邪魔にならないよう、枝の位置に配慮し、転倒防止措置を行います。


切花として流通する「桜」の種類と鑑賞時期
時期によりご用意出来る桜の種類は異なります。iconicflowerは、もともと開花時期が早い品種の桜、暖かい地域で採取した桜、冷涼な地域で採取した桜、もともと開花時期が遅い品種の桜を使用時期にあわせて仕入れます。毎年ニュースで流れる「開花宣言」の日にちが異なるように、桜の開花時期と散るまでの期間は、その年の気候により異なりますから、花市場の方との情報交換が必須です。下記は、iconicflowerが生けた桜の品種です。

啓翁桜(1月〜3月)
最も早い時期に出回るのは「啓翁桜(けいおうざくら)」です。冬に切り出し、ハウス(促成室)の中で、切花として出荷する為に温度管理されます。迎春の慶びを演出する桜としてお正月に飾ることもあります。1月から3月上旬まで最も長期間流通する桜の種類で、薄いピンクの小さな花を枝いっぱいにつけます。
シナミザクラを台木にコヒガンザクラをついでできた品種です。東海地方の産地からは「東海桜」として出荷されることもあります。

河津桜(2月後半)
伊豆の「河津桜祭り」で有名な河津桜(カワヅザクラ)。2月という早い時期に開花する早咲きの桜です。カンヒザクラとオオシマザクラの自然交配種と考えられています。啓翁桜に比べて花が大きく、ピンク色もやや濃い色で、花もちも良く、力強さを感じさせる品種です。小さなアレンジメントよりも、枝ぶりを生かした大きめの装花の方が、その素晴らしさを活かすことができます。

横浜緋桜(3月中旬〜)
濃いめのピンクの花で、下向きに咲く横浜緋桜(ヨコハマヒザクラ)。蕾も花も、ピンクの濃さが印象的です。寒緋桜と山桜を交配させて生まれた品種です。3月中旬から出回ります。
陽光桜(3月前半〜中旬)
桜の女王と呼ばれる陽光桜(ヨウコウザクラ)。天城吉野(アマギヨシノ)と寒緋桜を交配させて生まれた品種です。濃いめのピンクで大きな花を咲かせます。花もちも良くボリュームもあるので、空間を飾るショップディスプレイに向いています。価格は若干高めですが人気の桜です。


吉野桜(3月中旬〜)
ごく淡いピンクからホワイトの桜で、エドヒガンとオオシマザクラが交配して生まれた品種です。別称「染井吉野」。枝ぶりが美しいので1本だけでも絵になり、大きな生け込みでは上品な華やかさを演出できます。

雅桜(3月中旬〜)
皇太子妃雅子様のご成婚記念として命名された雅桜(ミヤビザクラ)。寒色系の濃いピンクが美しい桜です。

大島桜(3月下旬〜4月)
日本の固有種で、ソメイヨシノなど多くの園芸品種を生み出した桜です。大きな白い花を咲かせ、香りが良く、明るい緑の葉が美しい桜です。葉は桜餅の「桜の葉の塩漬け」に使用されています。

普賢象(3月下旬〜4月)
最も数多く植えられる八重桜の一つ普賢象桜(フゲンゾウザクラ)。ボリューム良く、花もちも良いのでディスプレイに最適の桜です。

奈天
タカサゴという桜の別名で古くから日本にある品種です。シーボルトによって欧米に輸出されてヨーロッパや北アメリカにも植えられているそうです。

八重桜(3月下旬〜4月)
八重桜は品種名ではなく花びらが6枚以上ある桜の総称です。一葉・関山などの栽培品種がありますが、切花市場では「八重桜」という品名で流通しています。
「これは何桜ですか?」
桜を飾ると必ずと言っていいほど「これは何桜ですか?」とう質問をされます。日頃、花に関心がない方でも、桜についてだけは品種まで知りたくなるのです。桜がきっかけで、桜を見る人同士のコミュニケーションが生まれます。長期間桜を飾る場合は、時期ごとに変わっていく桜の種類の変化も、ぜひ楽しんで頂きたいと思います。




花柄↓


梅・桃・桜の違い
梅桃桜を見分けるにはまず、花弁の形をみます。桜の花びらの先端は割れています。一方、梅の花びらは丸みがあり、桃の花びらの先端は尖っています。
また、桜の幹の表面には横縞と艶があり、枝からお花までの間に緑の「花柄」があることが特徴的です。梅や桃には花柄がなく、枝に直接お花がついています。
咲く順番は梅→桃→桜の順番で、見た目のボリューム感は梅<桃<桜というイメージです。桜は梅・桃よりも種類が多く、華やかに咲く為人気があります。
桜
桃
梅
桜を飾る際の注意点
・桜を水にいけると、水が紅茶色に濁ることがあります。予め陶器やカラーガラスなど、水が見えない器を選びます。
・桜の種類によっては花が咲くときや生けるときに「蜜」が飛ぶ事があります。また、咲いた花を触ると黄色い花粉がつくこともあります。
・暖かい場所に長期間生けると、虫がでてくることがあります。
・咲いていく過程で、飾っている場所に花びらなどが落ちます。
日本ならではの「おもてなし」
最近ではインバウンド(訪日外国旅行者)が桜の「開花宣言」を待って、日本を訪問することも増えたそうです。ぜひ「本物の桜」を飾り、日本ならではの「おもてなし」に役立てていただければと思います。










入社式の花
入社式には「桜」の装花が人気です。式の演台横や、会社のエントランスなどに飾ります。入社式に華やかに開花した状態になるように、前日に生け込みさせていただき、花が終わる前に撤去に伺います。



