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Quality

花の仕入れからお届けまでの品質管理
近年、「切花の保ち」がさらに重視されるようになりました。切花は品種改良され、採花後の薬剤処理や、生花店での下処理方法もよりよい方法が取り入れられています。花市場から仕入れた、「切花」というデリケートな商品を、どの様に管理しお届けするかは花屋によって若干スタイルが異なります。このページでは私たちiconicflowerの花の仕入れから、下処理、管理、制作、発送までの品質管理を詳しくご紹介します。
![]() 花の仕入れ先iconicflowerは日本最大の市場である大田市場と世田谷市場から仕入れをしています。仕入れというと、たくさん並んでいる花から目利きをしてセリで買うイメージがありますが、生花のほとんどは、「セリ」にかけられる前に予約販売されています。使用本数が多い場合やお花の品種指定がある場合は、予め市場に注文をするため、品種にもよりますが、1週間前のご注文をお願いしています。品種のご指定がない場合は、市場内仲卸の店頭にならぶ、新鮮で美しく、価格も手ごろな花を厳選してご用意致します。 | ![]() 花の仕入れ日切花の仕入れは(月・水・金)の週3回可能です。iconicflowerがフラワーショップと大きく異なる点は、予約注文のみ承っているということです。在庫は極力もたず、ご注文ごとに、お届け日に近い曜日に花の仕入れを行っています。 | ![]() 市場に行く事の大切さ市場に足を運ばなくても仕入れをする方法はあります。しかし、出回り状況を把握するには市場に足を運ぶ事が一番です。 例えば2021年春は例年よりも著しく暖かい日が続き、春の花の出回りが1-2週間早まり、2022年の初春は寒さが続き例年よりも遅い出回りになりました。 |
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![]() 花市場朝4時5時から私達の花の仕入れは始まります。花は季節・等級・生産者により個体差が大きい商品のため、花選びがとても大切です。例えば花がつく枝ものを選ぶ時は、枝振り、蕾の大きさや密度などを見ます。切花を選ぶ時は、花色、花の大きさと長さ、葉の美しさ、瑞々しさ、茎の強さなどを比較し、使用目的にあったものを購入します。美しく用途にあった材料を仕入れることで、より良い装花を仕上げることができます。 | ![]() 花の入荷切花は生産者さんから主に段ボールで運搬されています。多少の保水はされていますが、市場から入荷したお花は仮死状態です。私たちは、入荷した花の茎の切り口を新しくして、水をはったバケツにいれ充分に吸水させます。この作業を「水揚げ」と呼びます。この作業はとても重要で、その後の花の保ちに影響します。 | ![]() 水揚げ作業切口を新しくする理由は、水を吸い上げる管(導管)につまった空気やバクテリアを取り除き吸水を良くするためです。ハサミで押し切りするよりも、鋭利な刃物で斜めにカットする方が吸水面が広く取れ、水が上がりやすくなります。水揚げ方法には切る・折る・焼く・ハンマーで叩く、など様々な方法があります。 吸水には最低3時間が必要と言われますが、水揚げ促進剤を使用し、時間を短縮することもできます。花の種類や使用目的に合わせて花を保管する場所の温度、バケツの水の深さなどを判断します。カラーなどの球根類、ガーベラなど茎が腐りやすい花はやや浅めの水に、アジサイなどは水圧をかけて吸水を良くする為に、深めの水にいれて管理します。清潔なバケツに水を張り、バクテリアの繁殖を抑える抗菌剤と、色を保持し、開花に必要なエネルギーになる「糖」を含む品質保持剤をいれます。「水揚げ」はフローリストがこだわる作業のひとつで、知識と経験が必要です。 |
![]() 開花調整ウェディングやイベント装花では、お花の美しさの「ピーク」をお届けのタイミングに楽しんで頂く為に、植物の開花状態を調整します。 「開花調整」には様々な方法があります。 水の深さ、植物の長さ、茎の切り口の形、保管温度、余分な葉や蕾を取り除く、お湯につける、ビニールで覆う、など方法は様々ですが、極力植物に負担がかからない方法を選びます。 気温にもよりますが。、桜は5-7日ほど、ユリやシャクヤクは5日ほど世話をして開花させます。 | ![]() 保冷・保管高温、直射日光があたる場所、風通しの悪い場所では、切花の呼吸が活発になり花持ちが悪くなります。そのためiconicflowerでは切花を5〜10℃程度の生花用冷蔵庫で季節により温度を調整しながら管理をします。 低温に弱い花、自然に開花させたい花は冷蔵庫に入れず、室内で管理します。 *基本は、採花からの時間が短いことが鮮度の決め手です。冷やせば冷やすほどよいという事ではありません。 | ![]() Blooming flower写真はイベント会場での最高にリッチな咲き具合のラナンキュラスです。ギフト用には蕾のお花が好まれますが、イベントやパーティ装花のためには、その花の美しさのピークをパーティの当日に楽しんで頂けるよう開花の具合を調整します。 |
![]() 運搬写真の「リューココリネ」やユリなどは、ちょっとした衝撃で花弁にしわが入ります。花弁のしわや変色は、一般の方には分かりにくい物ですが、花本来の美しさを損なわないようデリケートなお花の梱包や運搬には細心の注意を払います。 | ![]() 切花の薬剤スプレー処理により、花弁の変色を抑制し花もちを長続きさせる薬剤です。 | ![]() 花の産地見学花のことを知りたいという好奇心から、産地見学に行くこともあります。 バラの生産者さんからは、バラの生理現象や、花葉茎のバランス、品種のトレンドについて教えていただきました。 今後も産地見学を続けていきたいと思います。 |
![]() 花屋の心がけ生産者さんが、時には一輪カットする度にハサミを消毒し、丁寧に梱包し出荷してくださる植物。 私たちはその美しさを、そのままお客様にお届けしたいと思っています。 花に傷をつけないよう、作業中の花の置き場所や扱いに気をつけ、花の吸水や開花状態をよく観察します。 | ![]() 花屋の心がけ切花の鮮度が悪くなる原因の一つが、水の中で増殖するバクテリアです。水をこまめに換え、バケツを丁寧に洗って、道具も清潔に保つ。そんな「花屋の心がけ」が商品の品質向上につながると考えています。 |
花のお届け後の管理
花が私ちのアトリエに入荷した後、開花調整をするお花を除きほとんどの花が、当日か次の日に納品・発送されます。お届する花器には水と花の延命剤を入れます。延命剤の成分は切花の栄養となる糖分とバクテリアの繁殖や水の腐敗を防ぐ抗菌剤です。しかし、お届け先の花を飾る場所の環境は20度以上の場所が多いため、花を生けた水の中ではバクテリアが増殖していきます。花のお届け後の管理は主に、この「水の汚れによる花の劣化」を最小限にすることです。
iconicflowerでは年間を通じてお花を飾り付ける「定期装花」という仕事をしています。日々の業務の中で、お届け後の花の変化を観察し、お届け後の花もち期間や花の成長を観察しています。
何年も様々な場所で花を生けて来ましたが、切花の管理は基本的なことが一番重要なのだと思い知らされます。それは、こまめに器を洗い、水をかえ、切り口を新しくすることです。
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